不動産購入の前に知っておきたい「重要事項説明」のすべて!!

投稿日:2025.07.05

今回は、不動産購入の前に知っておきたい「重要事項説明」のすべて!!についてお話します。

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夢のマイホーム購入や不動産投資。大きな買い物だからこそ、失敗は避けたいですよね。そんな不動産取引において、あなたの安心・安全を守るために非常に重要な役割を果たすのが「重要事項説明」です。

「聞いたことはあるけど、具体的に何をするの?」 「難しそうでよく分からない…」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?この記事では、不動産の重要事項説明について、その目的から具体的な内容、受ける際の注意点まで、徹底的に分かりやすく解説していきます。

 

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1.重要事項説明って、そもそも何?

重要事項説明は、宅地建物取引業法第35条という法律に基づいて、不動産会社(宅地建物取引業者)に義務付けられている手続きです。不動産の売買契約を結ぶ前に、物件に関する重要な情報を、宅地建物取引士という国家資格を持った人が、買主に対してきちんと説明することを定めています。

この説明は単なる形式的なものではありません。あなたの利益を守るための「消費者保護制度」として非常に重要な位置づけにあります。もし不動産会社が説明を怠ったり、嘘の説明をしたりすれば、業務停止や最悪の場合は免許取り消しといった厳しい罰則を受けることになります。

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2. なぜ重要事項説明が必要なの?その目的とは 

では、なぜこんなにも重要事項説明が大切なのでしょうか?主な目的は以下の通りです。

  • 買主の利益保護: 高額な不動産取引で、あなたが予期せぬ損害を被らないように保護します。

  • 情報の非対称性の解消: 売主や不動産会社に比べて情報が少ない買主が、物件の重要な情報をきちんと知ることができます。

  • インフォームド・コンセントの実現: あなたが十分な情報を得て、納得した上で契約を判断できるようにします。

  • トラブルの未然防止: 重要な情報を事前に共有することで、契約後の「こんなはずじゃなかった…」というトラブルを防ぎます。

  • 契約の安定性確保: あなたが納得して契約を結ぶことで、後々の契約解除のリスクを減らします。

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3. いつ、どれくらいの時間で行われるの?

重要事項説明は原則として、売買契約を結ぶ前に行われます。多くの場合、契約日当日に、契約の直前に行われることが多いです。

しかし、内容をじっくり検討したい場合は、契約日よりも前に別途日程を設けてもらうことも可能です。説明を受けた後は、内容をしっかり理解し、必要に応じて質問や確認を行った上で、あなたが納得した場合に初めて契約締結に進みます。

所要時間は物件の種類や複雑さによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 一般的な中古マンション: 30分~1時間程度

  • 一戸建て住宅: 1時間~1時間30分程度

  • 土地や商業物件など複雑な案件: 1時間30分~3時間程度

質問が多かったり、法的制限が複雑な物件の場合は、さらに時間がかかることもあります。

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4. 重要事項説明どんな事を説明されるの?

重要事項説明書には、物件に関するありとあらゆる重要な情報が記載されています。ここでは、その具体的な内容を大きく10項目に分けてご紹介します。

4.1. 取引条件に関する基本情報

物件の所在地や面積、建物の構造や築年数、増改築の履歴など、物件そのものの基本的な情報が確認できます。リフォームの履歴などもここで説明されます。

4.2. 権利関係

物件の所有権が誰にあるのか、抵当権などの借金に関わる権利が設定されていないか、といった権利に関する情報です。マンションの場合は、管理規約や使用細則の内容も含まれます。

4.3. 法令上の制限

「この土地にはこんな建物を建ててはいけない」といった、法律による制限についてです。都市計画法や建築基準法に基づく用途地域、建ぺい率、容積率、高さ制限などが該当します。

4.4. 私法上の制限・契約条件

私道の負担があるか、他者の通行権が設定されていないか、境界線は明確になっているかなど、隣接する土地との関係や、契約における特別な条件について説明されます。

4.5. インフラ・設備状況

上下水道、ガス、電気といったライフラインの状況や、給排水設備の種類、稼働状況などが説明されます。設備の保証期間や修繕履歴もここで確認できます。

4.6. 契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)

売買契約後に物件に不具合が見つかった場合の、売主の責任範囲や保証期間、対応方法(修理、代金減額、契約解除など)についてです。売主が認識している不具合があれば、この時点で告知されます。

4.7. 災害・ハザード情報

洪水や土砂災害、津波などのハザードマップにおけるリスクや、地盤の状況(液状化リスクなど)が説明されます。過去の災害履歴や、アスベスト使用の有無、土壌汚染の可能性も重要な項目です。

4.8. 周辺環境・生活関連

日当たりや眺望、騒音、悪臭といった周辺環境に関する情報です。近くに嫌悪施設(墓地、廃棄物処理施設など)がないか、学校や病院などの公共施設へのアクセスも確認できます。

4.9. 管理・維持費用

固定資産税、都市計画税といった税金や、マンションの場合は管理費、修繕積立金などの月々の費用について説明されます。管理組合の財政状況や大規模修繕計画も重要な情報です。

4.10. その他の重要事項

心理的瑕疵(自殺や事件・事故の発生歴)の有無や、現在進行中の訴訟や近隣トラブル、反社会的勢力排除に関する条項、手付解除の条件、引き渡しや決済の条件など、上記以外の重要な情報が説明されます。


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5. 重要事項説明の進行手順

通常、以下のような流れで進められます。

  1. 宅地建物取引士証の提示: まず説明者が宅地建物取引士証を提示し、資格者であることを確認します。

  2. 重要事項説明書の確認: 説明書の記載内容と実際の物件情報が一致しているかを確認します。

  3. 各項目の説明: 書面に基づいて、一つ一つ丁寧に説明が行われます。登記簿謄本や公図、建物図面、設備表などの添付資料も併せて確認します。

  4. 質疑応答: 進行中、あなたが疑問に思った点や確認したいことに対して、宅地建物取引士が回答します。

  5. 署名・押印、交付: 最後に、あなたが重要事項説明書に署名・押印し、説明を行った宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書があなたに交付されます。

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6. 重要事項説明を受ける際の注意点

せっかくの重要な機会、最大限に活用するために以下の点に注意しましょう。

  • 事前にコピーをもらう: 可能であれば、事前に重要事項説明書のコピーをもらい、目を通しておくと効率的です。疑問点や確認したい事項をメモしておくと良いでしょう。

  • 専門家の同席を検討する: 必要であれば、弁護士や建築士など専門家の同席を検討することも有効です。

  • 分からない点は必ず質問する: 内容を十分に理解できないまま進めないよう、分からない点があれば遠慮なく質問しましょう。

  • 内覧時の情報と照らし合わせる: 事前の内覧時に気になった点と説明内容に矛盾がないか確認しましょう。

  • 周辺の開発計画や大規模修繕計画も確認: 周辺で大きな開発計画がないか、マンションであれば将来の大規模修繕計画も確認しておくことが大切です。

  • 管理組合の運営状況もチェック(マンションの場合): 修繕積立金の積み立て状況や、管理組合の運営状況も重要なポイト

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7. まとめ

重要事項説明は、不動産取引におけるあなたの安心を保証するための、非常に重要な法的手続きです。決して形式的なものと考えず、この機会を最大限に活用して、物件に関する疑問点を解消し、十分な情報を得た上で契約判断をすることが大切です。

特に、人生で数回しか経験しない不動産取引において、重要事項説明は物件の「本当の姿」を知る貴重な機会となります。宅地建物取引士は、単に書面を読み上げるだけでなく、あなたが理解しやすいように説明する義務があります。分かりにくい点や疑問点があれば、遠慮なく質問し、納得した上で契約に進むことが、後々のトラブル防止に繋がります。

ぜひ、この記事を今後の不動産取引の参考にしてみてください。あなたの不動産探しがスムーズに進むことを願っています!

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不動産事業部 松島 豊

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