土 地 探 し④「セットバック(道路後退)」

新築不動産部 宅地建物取引士&住宅ローンアドバイザーの近藤です。

 

前回は②「敷地を読み取る」について書きました。

今回は「セットバック(道路後退)」についてお話しします

「セットバック」(道路後退)

「セットバック」(道路後退)は4m未満の道路に接している敷地に建つ既存建物を解体し、

新たに建築する際、

道路の中心線から2m後退した場所を道路境界線として建物を建てなければいけません、

という決まりです。

セットバックができた理由・意義とメリット

日本では4m未満の道は非常に多く存在します。

そこで4m未満の道に対する取り決めができ、

「4m未満の場合でも道路と見なすが、将来、幅員4mの道路を確保できるように、

建て替える場合は道路の中心線から2m後退した位置を敷地の境界線と定めて建築すること」に決まりました。

これが「2項道路」(にこうどうろ)というものです。

2項という名前の由来は建築基準法の第42条第2項に記載されているため、そう呼ばれています。

 

「自宅前だけをセットバックして道幅が広くなっても、

周囲の家はセットバックしていないため道幅は広がらないし、

前面道路への入り口は狭いままで、車は駐車し辛い。

こういう状況でもセットバックする意味はあるのか疑問。

土地が小さくなる分、損した気持ちになる」と思われる方も多いかと思います。

 

■緊急車両が入れる

セットバックの最も大きな目的は、

緊急車両が入れる道路ができるということです。

車が進入できないところで、もし火事が起きたら

急患がいるのに救急車がたどり着けない、

このような危険を回避するためにも

道路を少しずつ広げることはとても意義があることだと言えるでしょう。

■延焼の防止
火事が起きた場合、

道路が狭いと向かいの家にも延焼して大きな火災になってしまう危険があります。

さらに消防車もたどり着けないとなると、

大災害になってしまう危険があります。

■治安、景観の改善
道幅が狭いと、道路が暗くなります。

そのため、治安的にもあまり良くない環境になる恐れがあります。

道路が拡幅されて広くなることで景観も改善され、良好な日当たりを期待できます。

■セットバックと駐車の関係

セットバックした場合でも道路整備が完成するまでは、

当該部分を使用することができます。

例えば、両隣の2軒がセットバックを完了していない場合は、

両隣も建て替えて幅員4mの道路が完成するまで、自分の土地として使うことができます。

建築物は、道路を確保することを前提に計画しているため、

完成するまでの間は駐車スペースなどとして活用するのも良いかと思います。

 

セットバックは、実に意義深いことだと言えます。

前向きに捉えて土地選びの許容範囲を広げてはいかがでしょうか。

 

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 最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。

それでは、次回をお楽しみに!!!

 

 

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